犬の涙液量測定のための新しいストリップメニスコメトリー法:シルマー涙液検査およびフェノールレッド糸検査との臨床相関

抄録

目的:ストリップメニスコメトリー検査(SMT)は、わずか5秒で涙液量を定量的に測定する新しい方法です。私たちは、正常な目と涙液不足の目を含む犬において、SMTと標準的なシルマー涙液検査(STT)およびフェノールレッド糸検査(PRT)との臨床相関を評価することを目的としました。

対象動物:眼疾患のある犬および眼疾患のない外来患者の犬621頭の左眼が評価されました。

検査手順:各被験犬は、局所麻酔なしで、5分間隔でSMT、PRT、STTの順に検査を受けました。対象全体はSTT結果に基づく涙液不足の重症度により4群に分類されました:「重度」(0~5 mm/分)、「中等度」(6~10 mm/分)、「潜在性」(11~14 mm/分)、および「正常」(15 mm/分以上)。

結果:最も強い相関係数はSMT-STT間(0.676)で見られ、次いでPRT-STT(0.637)とSMT-PRT(0.600)のペアでした。全対象におけるSMT、PRT、STTの平均(標準偏差)スコアは、それぞれ9.47(4.08)mm/5秒、33.30(8.52)mm/15秒、16.47(7.01)mm/分でした。STTによって分類されたグループ間には、SMTとPRTの結果の両方において有意な差が認められました。受信者動作特性(ROC)曲線は、SMTがPRTよりもSTTとの一致が良好であることを示し、STTの重症度が増すにつれて一致度が高まりました。正常な目と涙液不足の目を識別するためのSMTのカットオフ値は10 mm/5秒と特定され、高い感度と許容可能な特異度が得られました。

結論:SMTは涙液不足の目を識別する上でPRTよりも優れている可能性があります。SMTの高い感度は、短い検査時間で正常な目を除外するための初期診断ツールとして有用である可能性があります。

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